睡眠の質を上げるための基本的な知識➀

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最近あなたは、良質な睡眠を取れていますか?睡眠が大事なのはわかっているけど、忙しい毎日でなかなか質の良い休息が取れないと感じる方も多いのでは?
実は、日常の小さな習慣の見直しで驚くほど質の良い睡眠を手に入れることができるんです。
この記事では、身体の内側からサポートする食事や、エネルギー調整のコツ、リラックスの秘訣を3つのポイントでご紹介します。

*この記事を読むには約11分かかります。

睡眠に良い食事:身体の内側から質の良い休息をサポート

「食事」と「睡眠」、私たちの日常に欠かせない2つの要素。この二つは実は密接な関係にあります。食事が体の内側から睡眠の質をサポートするためのエネルギーや栄養を供給する役割を果たしているのです。しかし、どのような食事が睡眠に良いのか、逆に睡眠の質を下げてしまう食事はどのようなものなのか。このセクションでは、質の良い休息に繋がる食事の秘訣を探ります。

タンパク質と睡眠の質:アデレード大学の研究から分かる関連性

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アデレード大学の研究によれば、高脂肪の食事を摂取する男性は日中の眠気と夜間の睡眠障害のリスクが高まります。また、睡眠時無呼吸症候群の発症リスクも上昇することが判明。この調査は35歳から80歳までの1800人以上のオーストラリア人男性を対象に行われ、その結果は『Nutrients』誌に掲載されました。

研究著者のインティン・カオ氏によれば、「脂肪摂取量が多い人は日中の眠気を感じやすくなり、労働者にとって特に懸念すべき問題だ」と指摘。さらに、高脂肪摂取は睡眠時無呼吸症候群とも強く関連しているとの結果も。

調査対象の男性の約41%が日中の眠気を経験し、47%が夜間の睡眠の質が低下していると報告。カオ氏は「不適切な食生活と悪い睡眠パターンは悪循環を生み出す可能性がある」と警告し、健康的な食生活と質の良い睡眠の重要性を強調しています。

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高脂肪の食事
高脂肪の食事は、多量の脂肪分を含む食品を中心とした食事を指します。以下は高脂肪の食品の一例です。

  • ファストフード:ハンバーガー、フライドポテト、フライドチキンなど。
  • 揚げ物全般:天ぷら、唐揚げ、コロッケなど。
  • 濃いソースやドレッシング:マヨネーズ、クリーミーなサラダドレッシングなど。
  • バターやマーガリンを多く使用した料理やお菓子
  • 豚肉の脂身、ベーコン、サルシッチャ(脂肪分の多いソーセージ)
  • フルクリームの乳製品:クリーム、全脂乳、高脂肪のチーズなど。
  • コンビニやスーパーでのスナック類:ポテトチップス、クリームをたっぷりと使用した菓子、チョコレートなど。

脂肪分が多い食事は、確かに食欲がそそられますが睡眠の質の低下に繋がる可能性があります。

推奨される脂肪の摂取量
一般的に、総カロリーの20%〜35%を脂肪から摂取することが推奨されています。例として、2000カロリー摂取する場合、それは400〜700カロリーを脂肪から摂取することを意味します。1gの脂肪は9カロリーなので、44g〜78gの脂肪摂取となります。

参考元:https://www.adelaide.edu.au/news/news84342.html

糖質の取りすぎがもたらす睡眠への影響:睡眠の深さと糖質摂取のバランス

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糖質も私たちの睡眠に影響を与えています。
コロンビア大学の研究によれば、食事の内容が睡眠の質に影響を与えることが明らかになっています。この研究では、正常体重で7~9時間の睡眠を習慣的にとる26名の成人を対象に、食事パターンと睡眠の関連を調査しました。

結果として、繊維とはみなされない砂糖やその他の炭水化物を多く摂取すると、睡眠の覚醒に関連することが判明しました。

つまり、糖質の過剰な摂取は、交感神経を活発化させる傾向があり、それが寝る前の落ち着きのなさや浅い睡眠の原因となることがあります。
また昼間のストレスや緊張が続くと、夜も交感神経が高まったままとなり、それが睡眠の質の低下を招くことが考えられます。このような時には、糖質を控えめにして副交感神経を支配的にすることで、より良い睡眠をサポートすることが期待できます。

参考元:https://jcsm.aasm.org/doi/10.5664/jcsm.5384

カフェインとの賢い付き合い方

眠気覚ましで、コーヒーを吞んだりサプリメントでカフェインを摂取する人はいませんか?
多くの人が眠気覚まし=カフェインを摂るといったことをすると思いますが、カフェインの摂取の仕方にも注意が必要です。

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カフェインの体内での働きと影響

カフェインは、眠気覚ましに有効ということは皆さん知っているかと思います。
でも、どうしてカフェインは私たちを「覚醒」させるのでしょうか?
カフェインの働きは、実は脳内のある物質、アデノシンと関係しています。
アデノシンは、私たちが疲れを感じる原因の一つです。


カフェインはアデノシンの働きをブロックすることで、眠気を感じにくくしてくれます。
ただ、カフェインには眠気覚まし以外の影響もあります。

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飲みすぎると、心拍数の増加や不眠などの副作用が出ることがあるので注意が必要です。
また、カフェインの効果は人それぞれ。空腹時や特定の時間帯に摂取すると効果が強く感じることも。

1日の最適なカフェイン摂取タイミング

カフェインを上手に活用するためには、その摂取タイミングも重要です。

朝、目覚めた直後のカフェイン摂取は、体が自然に覚醒している時期と重なり、必ずしも効果的ではありません。一方、午前中の10時から12時や、午後の1時から3時頃がおすすめのタイミングです。これは、人の体内時計が自然にエネルギーが低下する時間帯と一致するため。

しかしながら、夜遅くのカフェイン摂取は避けるべきです。寝る数時間前に摂取すると、睡眠の質を悪化させる可能性があります。カフェインの最適な摂取タイミングは、一日のエネルギーダウンが予測される時間帯。ただし、夜の摂取は控えめにしましょう。

カフェイン過剰摂取のリスクと正しい量の見極め方

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カフェインは適切な量で摂取すると多くのメリットがありますが、過剰に摂取すると体に悪影響を及ぼす可能性があります。

カフェインの過剰摂取によるリスクには、不眠、動悸、頭痛、消化器症状、高血圧などがあります。また、継続的な過剰摂取は依存症のリスクを高める可能性も!

適切な量のカフェイン摂取は、大人の場合、1日に200〜400mg(約2〜4杯のコーヒー相当)と言われています。しかし、人によってはこの量でも体調不良を感じることがあるので、自分の体の反応をよく観察しながら摂取量を調整することが大切です。

最後に、カフェインの摂取源はコーヒーや緑茶だけでなく、エナジードリンクやサプリメントにも含まれていることを忘れずに。摂取量を適切に管理し、健康的にカフェインと向き合っていきましょう。

リラックス効果抜群!寝る前のお風呂タイム

入浴はリフレッシュするだけでなく、より良い睡眠をサポートする役割も果たしています。最適な入浴のタイミングや湯温を選ぶことで、睡眠の質や寝付きの向上が期待できますが、どの入浴タイミングがベストなのかご存知でしょうか?

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実は、体温の変動が入浴の効果の秘密です。運動するときのように、体温を適切に上げることで、より良い睡眠を導きます。入浴のタイミングも大切で、昼間よりも夕方以降のバスタイムが効果的。ただし、寝る直前の入浴は、眠りにくくなるリスクも。そのため、就寝の2~3時間前に入浴するのが理想的です。

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湯の温度にも注意が必要です。過度に高い温度は体にストレスを与えるので、38度のお湯で約25分か、42度で約5分がおすすめのタイミングです。

また、半身浴も推奨される入浴方法の一つ。腹部まで40度の湯に浸かって、30分程度のんびりと過ごすことで、リラックス効果が高まります。
大切なのは、自分の体調や好みを考慮しながら、最適な入浴方法を見つけることです。
参考元:https://onl.bz/ZGk23nY

まとめ

睡眠の質を高めるための基本的な習慣には、食事のタイミングや内容、カフェインの摂取方法、そして入浴の方法が挙げられます。特に、カフェイン摂取のタイミングや量の調整、夜の適切な湯温での入浴は、より深い眠りをサポートします。これらの習慣を適切に取り入れることで、日々の生活の質を向上させることができます。

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