秋冬の睡眠負債を解消!今日からできる眠れない夜を終わりにする方法③

不眠症_家族のやすらぎショップを

「秋冬の睡眠負債を解消!」の続きです。前回の記事はこちら
(①がこのシリーズの最初の投稿になります。)
このシリーズでは、秋冬季に起こりやすい不眠症への対策をご紹介しています。
前回では、不眠症の5つの基本タイプがあるとご紹介しました。自分が不眠症かどうかのチェックは前回ご紹介した「アテネ不眠尺度」をお使いくださいませ。自分がどの不眠症かはこちらをご参考くださいませ(自分の不眠タイプを知る)

今回は、学習された不眠症(睡眠導入不眠症と症状が似ている)体内時計の乱れによる不眠症(夜勤の方に多くみられる)早期覚醒型不眠症(朝早く目覚めてしまう)の方の解消方法をご紹介します!基本的には、睡眠日誌(睡眠日記)をつけて現状を把握する⇒対策といった流れとなります。
自分が該当するって思った方は、ぜひ今夜からでも取り入れてみてくださいね!

不眠症 家族のやすらぎショップ
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 学習された不眠症(睡眠導入不眠症と症状が似ている)

睡眠に対する過剰な不安や心配、就寝時の緊張、寝つきへの執着などから生じて、脳が「寝れない」状態を学習してしまったことにより起こる不眠症。この不眠症の場合、「ベッドに入ったとたんに目が覚めてしまう」という悪循環に陥ってしまうこと多いんです。執筆者の私も睡眠が乱れるときは、この状態になっていることが多いです。
では、対策を見ていきましょう。

  • 現在の睡眠パターンを記録(7日ほど)
    ベッドに入った時間、実際に眠りについた時間(主観的な判断でOK)、目を覚ました時間、ベッドから出た時間、を記録します。
    記録をつけるだけでも、睡眠に対する意識が自然と高まることもあり、改善される傾向がありますので、めんどくさがらず記録をつけてみてくださいね。
  • 刺激制限療法をやってみる
    ベッドや布団、寝室、寝床では「眠る」だけの場所として使用する。ながらスマホや、読書もNGです。眠気が感じられて、すぐ眠れそうな状態になったら寝床へ。20分以上眠れない場合は、寝床から出て、また眠気を感じられるまで待ちます。
  • 睡眠環境の見直し
    寝室は、睡眠専用の空間として使うことが重要となってきますので、ついついベッドや布団の上で行ってしまう、スマホいじり、読書、テレビを見るなどを行ってしまう人は、それらができないように寝室とは別の空間(離れた場所)に置いておくとか使えない工夫をしてみてください。
  • 一時的な我慢も必要
    はじめは苦労しますが、脳の学習を書き換えるために重要です。眠くないのに、無理に眠ろうとすると逆効果になります。

体内時計の乱れによる不眠症(夜勤の方に多くみられる)

これは文字通り、体内時計の乱れで眠りのリズムが崩れる不眠症です。
時差ボケや、夜更かし、平日と休日の睡眠時間差が大きい、不規則な生活な乱れが原因です。こちらが対策となります。

  • 現在の睡眠パターンを記録(7日ほど)
    基本的に他の不眠タイプの対策の時と記録は変わりません。
  • トリプルクロノセラピー(TCT)をやってみる
    意図的に睡眠時間を減らす、睡眠時間の前倒し、ブライトライトセラピー(光療法)の組み合わせ方法です。
    具体的な手順はこちら
    1日目:徹夜をする(完全に徹夜を行い、睡眠パターンをリセットします。)
    2日目:早めの就寝(通常の就寝時間より6時間早く就寝し、最低7時間の睡眠を確保します。起床後、2時間の光療法を行います。)
    3日~5日目以降:徐々に就寝時間を遅らせる(前日より2時間遅く就寝し、起床後に2時間の光療法を継続します。これを繰り返し、本来の就寝時間に到達するまで続けます。)
  • 食事による調整
    朝7時頃に朝食をとり、深夜の食事は避ける
  • ブライトライトセラピー(光療法)
    朝に強い光を浴びる(太陽光が最も有効)太陽光を浴びるのが難しい場合は、1万ルクス程度の照明を代用してみてください。また、夜間のブルーライトは控えてください。

早期覚醒型不眠症(朝早く目覚めてしまう)

睡眠の後半で予定より早く目覚めてしまい、再び眠れない症状です。十分な睡眠時間が取れず、日中の眠気や疲労感につながる。高齢者やうつ病の患者に頻繁に見られます。再入眠に15分~20分かかるようなら、無理に寝床にとどまらないように注意してください。

  • 現在の睡眠パターンを記録(7日ほど)
    就寝時間、眠りについた時間、早朝に目が覚めた時間(特に重要)、その後再び眠れたかどうか、最終的な起床時間に注意して記録をしてくみてください。
  • 睡眠時間の調整
    早く目が覚めてしまう場合は、就寝時間を遅らせるといったことも試すのもありです。無理に早く寝ようとしない。早く眠りにつこうとして却って目が覚めてしまうブーメラン効果を避けるためです。
  • カフェインやアルコールを摂取している場合は、摂取を控える
    アルコールも寝酒けだからといって飲酒してしまうと、睡眠が浅くなりますのでご注意ください。また、日頃からコーヒーやお茶(カフェイン)を摂取する習慣がある人は、時間帯に気を付けて。カフェインの半減期は個人差(3~8時間と幅がある)があるため、就寝時間が23時なら15時以降にはカフェインを摂らない方が推奨されます。カフェインの量は、400mg(コーヒー約3~4杯程)以下が推奨されているので、取り過ぎにも注意。

起きてしまった時の注意点
目が覚めてしまった場合、前述したとおり15分~20分たっても眠れない場合は、寝床から出てください。静かな活動、リラックスできる行為(読書や軽いストレッチなど)を行い、自然に眠気を待ってみてくださいね。

入浴

まとめ

このシリーズでは5つの不眠症タイプ、対策方法をご紹介いたしました。
どの不眠症対策も効果がでるまで時間がかかります。また、今回ご紹介した方法、認知行動療法が主となります。
薬に頼らない方法なので、もし改善が見られない場合は専門医へいって医師の判断のもと薬物療法を試してみてくださいませ。