睡眠薬の副作用はどのくらいに大変か?薬なしで眠れるのが望ましい理由とは?

夜どうしても眠れない・・・そうした場合、病院へ行き睡眠薬を処方してもらうことがあります。

睡眠薬の使用は一時的な解決策として機能することがありますが、一般的には慎重に使用する必要があります。

睡眠薬は時に犯罪にも利用されるリスクが高い薬です。睡眠薬にはさまざまな副作用があり、その重大さは個人によって異なります。

以下で、睡眠薬の代表的な副作用について解説し、そのリスクを理解していただきます。そのあとで、薬なしで良質な睡眠を促進するためのアプローチです。

睡眠薬の副作用・依存性

一部の睡眠薬は依存性があり、長期間の使用や急激な中止が離脱症状を引き起こす可能性があります。

睡眠薬なしでは眠れなくなってしまうのはとても怖いことになります。最初は睡眠薬が必要でも、徐々に弱い薬にする、飲む量を減らすなど、睡眠薬に頼らない眠り方を取り戻していきましょう。

それでは睡眠薬の副作用や依存性について解説します。

日中の眠気や鈍さ

薬の効果が残っていることが原因で、日中に眠気や集中力の低下が生じることがあります。日中の眠気は睡眠時無呼吸症候群以外の場合でも起こることを知ってください。

十分睡眠時間がとれていても、日中睡眠薬の副作用によって眠気が起きることがあります。

記憶の障害

一部の薬物は記憶力や認知機能に影響を与える可能性があります。認知症のように不可逆的に記憶が戻らないということではありません。

ただ、一部の薬は注意力や反応時間を低下させる可能性があります。自分では頭がさえているつもりでも、周囲からはボーっとしているように見えてしまい、反応も遅くなります。

便秘や下痢

睡眠薬の消化器系に影響を与え、便秘や下痢などの問題を引き起こすことがあります。筆者も経験があります。

それまで便秘などしたことがなかった筆者ですが、ある薬を飲むと見事に便秘になってしまい、そこから下剤も処方されるようになりました。

しかし、その薬を止めたとたん、お通じは戻り、今は以前のように便秘にはなっていません。脳に作用すると、消化器系にも影響します。

そこから日々の生活に支障が出るくらいの症状になってしまいます。

異常な夢や悪夢

薬の副作用として異常な夢や悪夢が現れることがあります。これは次とも関連しますが、「せん妄」的に夢なのか現実なのかわからない事態も生じさせてしまいます。

ノンレム睡眠、レム睡眠のリズムが崩れるため、夢を見ているレム睡眠の時間が増えてしまうのかもしれません。

異常行動

睡眠薬は脳に直接作用し、強制的に眠りに陥らせる効果があるので、意識が混乱してしまいます。

入院時の「せん妄」のような症状が出ることがあります。筆者も一度だけ、この異常行動を経験しました。

どうやら大量の睡眠薬を飲んで眠ったある晩、夜中の3時頃起きて着替えて、近所のコンビニ行き、サンドイッチを複数買って、持ち帰り全部食べて、パッケージをそのままにしてまた眠ってしまったことがありました。レシートもあったので時間もわかります。

まったく覚えていないのですが、このような行動に出てしまいました。

これは非常に怖く、途中で車に撥ねられていたかもしれません。また、窓や階段からの転落の危険性もあります。

またサンドイッチだったからよかったものの、例えば異常行動の中で、カップラーメンを食べようとしてお湯を沸かしてそのまま意識を失う、何か料理をしようとして包丁で手を切るなど、大変な事故リスクもあります。

しかし、無意識なので、自分で制御できません。インフルエンザに罹ったときの子どもの異常行動と同じようなことが、睡眠薬を飲んだ大人にも起こりえるのです。

睡眠薬の依存性

睡眠薬には強い依存性があり、あまり長期にわたり服用すると、睡眠薬なしでは眠れなくなってしまいます。

身体的依存性:

長期間にわたる使用や急激な中止は身体的な依存性を引き起こす可能性があります。急激な中止は離脱症状を引き起こす可能性があります。

精神的依存性:

睡眠薬に依存することで、精神的な依存性が生じることがあります。患者は自分では眠れないと感じ、薬なしでは眠れないと考えるようになります。

薬なしで眠るための方法

睡眠薬はあくまでうつ病などの症状がひどい時期に一時的に服用するのが望ましく、徐々に減薬し、最終的には断薬、あるいは頓服程度に落ち着くと望ましいです。

規則正しい睡眠スケジュール

毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きることで、体内時計を調整しやすくなります。夜更かししてしまうと眠れなくなります。

徐々に規則正しい睡眠スケジュールを継続することで、体内時計を調整していくことができます。

リラックステクニックや瞑想

寝る前にリラックステクニックや瞑想を行うことで、心身をリラックスさせ、入眠しやすくなります。

呼吸法でも構いません。丹田呼吸法などをマスターすると、心が落ち着き、自律神経が静まります。

交感神経優位から副交感神経優位に切り替われば睡魔が襲ってきます。睡眠薬は交感神経優位で脳が興奮しているときに、強制終了スイッチを入れるものです。

強制終了を繰り返していれば、脳というOSがおかしくなってしまうのは、当然のことです。だから、リラックスいて副交感神経融資になり眠りやすくする方が理にかなっています。

快適な寝室環境の整備

寝室を暗く静かで快適な環境に整え、良質な睡眠を促進します。カーテンを工夫するだけでも違います。

あるいは耳栓、アイマスクなどをして視覚と聴覚からの刺激を減らすことも効果的です。これらは今日から始めることもできます。快適な睡眠環境を作って、少しでも睡眠薬なしで眠れるような工夫を行ってください。

適度な運動

運動はストレスを軽減し、睡眠の質を向上させる助けになります。ただし、寝る直前の激しい運動は避けるべきです。

ストレッチなど部屋でできる簡単な運動で十分です。あまり激しく外を走るなどすると、かえって興奮がおさまらず眠れなくなってしまいます。程よい運動が睡眠薬なしでの就寝には必要です。

カフェインやアルコールの制限

寝る前のカフェインやアルコールの摂取を控え、良質な睡眠をサポートします。

カフェインは中枢神経系を刺激し、覚醒を促進します。摂取すると、眠気を感じにくくなります。夕方や夜にカフェインを摂取すると、就寝前に影響が残り、入眠が難しくなる可能性があります。

アルコールは「寝酒」という言葉があるように少量ならば、初めはリラックス効果がありますが、その後に覚醒が増加しやすくなります。これにより、深い睡眠が妨げられ、睡眠の質が低下します。

さらにアルコールは夜間の覚醒を増加させ、夜中に目が覚めやすくなります。これが入眠後の熟睡を阻害する要因となります。夜中に何度も目が覚めてしまっては熟眠できず、疲れも取れなくなってしまいます。

寝る前に光刺激を避ける

テレビやスマートフォンの使用を寝る1時間前に避け、ブルーライトの影響を軽減します。光刺激、特に青い光は脳を興奮状態にさせてしまいます。

寝ながらスマホは安眠妨害要素の塊になっています。

食事の時間帯の調整

寝る前の大きな食事は避け、軽い夕食を心がけると良いです。あるいは、しっかり食べる場合は就寝前の4時間~5時間前にするなどしてください。

つまり残業で遅くなる場合、適切な夕食時間が確保できない可能性もあります。疲れて「ドカ食い」してしまうと、代謝も間に合わず体重が増え、睡眠時無呼吸症候群のリスクが上がってしまうという悪循環に陥ってしまいます。

専門家への相談

持続的な睡眠の問題がある場合、専門家や医師に相談してアドバイスを受けることが重要です。

薬物に頼る前に、健康な睡眠習慣や生活習慣の改善を試みることが重要です。場合によっては、医師や専門家の指導を受けながら、適切なアプローチを見つけることが良い結果をもたらす可能性があります。

まとめ

睡眠薬は一時的には必要なものですが、常用するとさまざまな副作用や依存性があり、かえって睡眠の質を落としてしまいます。

レム睡眠とノンレム睡眠のバランス、リズムも崩れるため疲れがたまりやすく、病気のリスクも上がってしまいます。

ひとまず睡眠薬でしっかり眠れるようになったら、依存してしまう前に、減薬に取り組みましょう。また、強い睡眠薬から徐々に弱いものに変えて、脳への負担も減らしていき、最終的には睡眠薬なしでも眠れるようになるとベストです。

焦らずできること、まずしっかり眠れることを優先させてください。