「枕が変わると眠れなくなる」と言われます。果たしてそれは本当なのでしょうか?気持ちの問題なのか、科学的な理由があるのでしょうか?
枕が変わることが眠りに影響を与えるかどうかは、個人によって異なります。一般的には、枕の選択は寝姿勢、身体の形状、快適さの好みに依存します。以下は、枕が眠りに与える潜在的な影響に関する考えられる要因になります。
今回は枕と睡眠の関係についていくつか考えてみたいと思います。
枕が変わると眠れなくなる理由は?
なぜ枕が変わると眠れなくなる人がいるのでしょうか?それには科学的な根拠はあるのでしょうか?科学的な理由があるとすると以下になります。」
もちろん、枕が変わっても、どのような環境でも問題なく眠れる人はいます。
頸椎の位置と支えが違う枕で異なってしまう
枕には頭や首の位置をサポート、固定する役割があります。正しい高さや形状の枕がないと、頸椎が適切に固定されず、寝ている間に首や肩の筋肉に負担がかかる可能性があります。
枕による首から上の支えが適切でないと、翌朝には痛みや違和感を知覚することがあります。違和感で熟眠できず中途覚醒してしまう可能性も否定できません。
快適さと心理的安心感がなくなってしまう
人は慣れ親しんだ状態や環境のほうが心理的な安心を得られることがあります。睡眠時は心が落ち着いていて、副交感神経優位になっていることが不可欠です。
しかし、枕が変わると、その環境が変わることで心理的な安心感が損なわれ、それが眠りに影響を与えることがあります。
いつもと違った睡眠環境に対して不安感を覚え、副交感神経優位にならず、いつまで経っても眠ることができなくなってしまいます。
枕のクオリティと寝心地が変わる
枕のクオリティや素材も重要です。例えば、柔らかすぎたり硬すぎたりする枕は、快適な寝心地を提供できない可能性があります。
また、アレルギーを引き起こす素材や臭いがある場合も、眠りの質に悪影響を与えることがあります。
いつも使っている枕ならば、自分で納得しているクオリティがあるので、寝心地もよくしっかり眠れるのですが、枕が変わってしまうことで、頭へのフィット感などが変わってしまい寝心地が悪くなってしまいます。その結果眠れなくなります。
枕が変わると姿勢と血行が変化する
就寝時の適切な姿勢は良い睡眠の重要な要素です。枕が適切でない場合、自分の頭にフィットしていない場合、結果として不自然な頭や首の傾きが生じてしまいます。
そのことが血行を妨げたり、筋肉の疲労を引き起こしたりする原因になりえます。疲れを取るために寝るのに、却って疲れてしまっては元も子もないのです。
このような理由で、枕が変わると科学的に眠れなくなる理由が説明できます。しかし、枕が変わることによる眠りに影響を与える理由は個人によって異なることがあります。
良質な睡眠を確保するためには、個々の好みや体調に合った適切な枕を選ぶことだけではなく、体調管理や生活習慣の改善、良好な睡眠環境の整備などを複合的に行う必要があります。
枕が変わることでもたらされるデメリット
枕が変わることで眠れなくなる科学的理由についてはこのようになりますが、枕が変わるデメリットについてもう少し考えましょう。枕が変わっても問題なく眠れる人でも、睡眠の機能自体が落ちてしまっている可能性はあります。
寝姿勢の適応が不安定になる
寝るときの寝姿勢によって、適した枕の高さや硬さが変わります。例えば、横向き寝姿勢の人は、首や肩の支えが必要です。
枕が変わることで、その支え方が変わってしまう可能性があります。睡眠時の姿勢は呼吸にも影響します。姿勢が崩れると夜中に目を覚ましてしまうかもしれません。
身体の形状と快適さが損なわれる
枕の高さや形状が個人の身体に合っていない場合、不快感や首や肩の痛みが生じる可能性があります。
不快感で目を覚ましてしまう、眠れなくなるということがあり得ます。枕なしで眠れないのと同様に、枕が変わると快適さが損なわれ、睡眠環境が悪化してしまいます。
新しい感覚への適応が遅れる
新しい枕に慣れるまでには時間がかかることがあります。最初の数日間は、違和感があるかもしれませんが、しばらくすると慣れてきます。
しかし、旅行先などは1日か2日なので、熟睡できないまま終わってしまうかもしれません。本格的に環境を変える場合、以前の枕を持っていくのか、新しい枕に慣れるまで耐えるのか、みなさんの判断になります。
アレルギー反応
枕の素材や中に使われている充填物に対するアレルギー反応がある場合、眠りの質に影響を与える可能性があります。
本当にアレルギー反応がある場合、薬を飲んで対処するよりも枕を変えた方がよいのはいうまでもありません。
枕が変わるデメリットを防ぐには何ができるか解説!
枕が変わることで入眠に違和感がある場合、何か改善できることはあるのでしょうか?100%以前の状態に戻すことはできませんが、多少の予防効果は取り組みによっては期待できます。
可能ならば、以下のアプローチを検討してみてください:
枕になれるための調整期間を設ける
新しい枕を試すときは、最初の数日から数週間は調整期間を設けましょう。少しずつ慣れていくことができます。
眠れないと思ったら、その枕ではなく以前の枕に変えるのも1つの方法です。ただし、これでは旅先の枕には対応できません。
科学的な根拠で頭に適した枕を選ぶ
寝姿勢や身体の形状に合った枕を選ぶことが重要です。横向き寝姿勢の人には高さがある枕が適している場合がありますが、これは個人差があります。
お金を掛ければ、ご自身の体験や寝る姿勢に応じて適切な枕を買えるかもしれません。多少お金はかかりますが、オーダーメイドの枕を思い切って作ってみるのも1つの方法になります。
アレルギー対策を行う
枕の素材や内容物にアレルギーがあり、それにより眠れない場合は、そのアレルギーがない枕に変えるしかありません。
マイ枕を持っていく
旅行先などであれば。マイ枕を持参できるかもしれません。個室ならば周囲の目も気にならないはずです。かさばりますが、心理的には安心します。
もっと言うと、枕だけではなくパジャマが変わると寝られないという人もいます。自分の就寝セットを持参できれば、あとはベッドだけの問題になります。
自宅外に行って寝る場合は、どうしても環境が変わってしまうので、ある程度の不便は行け入れざるを得ないでしょう。
まとめ
総じて、眠りの快適さは個人差が大きいため、自分に合った枕を見つけることが重要です。枕が眠りに与える影響が気になる場合は、専門家や医師に相談してアドバイスを受けることも一つの方法です。
旅行などで行くときは、マイ枕を持参することも可能です。睡眠環境の変化は、避けられないこともあるので、可能な限り「慣れる」ことも検討してみてください。
寝具を自分用にカスタマイズするのも面白いはずです。